目標は昨対4倍売上。 社員のモチベーションを上げる、成功の方程式

目標は昨対4倍売上。 社員のモチベーションを上げる、成功の方程式

株式会社AirX

代表取締役 手塚 究 様

設立
2015年2月
資本金
9,900万円
従業員数
20名程度
事業内容
近い未来の「空の移動革命」を見据え、“空”の交通デジタルプラットフォームを開発するテクノロジーカンパニー。現在はヘリコプターを活用した観光遊覧事業や移動プラットフォームを展開中。“空”をより身近な存在として活用し、人々のライフスタイルを変えるトップランナーを目指す。

会議の生産性を高め、モチベーションを上げるには

導入以前に課題に感じていたことを教えてください。

手塚: 事業の拡大に伴って会議の時間が増え、自由に使える時間が限られてきた中で、いかにモチベーションを上げながら成長し続けられるか。会議の質を高め、生産性を上げる必要性を感じていました。

会議の“質”について、どのような課題を感じていらっしゃいましたか。

手塚: 大きくは二つで、一つは会議で特定の人しか発言できず、会議によっては暗い雰囲気になること。二つ目は、目標設定や方針を経営メンバーだけで考えがちなことでした。

仲間内で始めた会社をスケールアップさせるにあたり、現場の「今」を熟知しているスタッフの声を吸い上げられないのはリスクですし、ある日突然上からミッションが降ってくる状態では、社員が熱量を保てないと思ったんです。

「すごい会議」によって、それらの課題をどう解決できると感じましたか。

手塚: 『全員が紙に書いて意見を出す』、『より良い雰囲気で実施する』などのお作法やルールで一つ目の課題は解決できそうだなと。また他社の事例を聞くと、全社を巻き込んだ共通認識づくりとモチベーションアップが同時にできそうなイメージが湧いて、二つ目の課題解決としても試したいと思いました。

「この課題を解決すればいける」 目標は売上昨対4倍

初回のトライアルDay1から、本導入に至った決め手を教えてください。

手塚:最大の決め手は、セッションメンバーからの評判が良かったことです。『全て紙に書く』ことで、仲間だからこそ遠慮して言えなかったことや後発メンバーが気後れして言いにくかった意見などが、こんなにも出しやすくなるのかと。

意見を出し切った上で意思決定に入るので、各自が思い残すこともない。それを繰り返すうちに場の温度も高まり、後半は「このプロジェクトの成功は、100%自分に責任がある!」というあり方に全員が変化しました。他の課題も一気に解決できそうな雰囲気に、満場一致で導入を決めました。

トライアルDay1で立てた“目標”には、どんな価値がありましたか。

手塚:私が期待した売上目標は、昨年の約2倍。しかし実際はさらに2倍、つまり昨対約4倍にまで目標値が引き上がりました。それは「すごい会議」のプロセスを経て、『この課題を解決すればいける』という方程式が見えたからです。加えて社員のモチベーションも高い状態。うれしい誤算でした。

早速、達成への役割担当を見直し、翌日には組織体制もそれに沿って変更しました。

和田:この経営チームのすごい点は、翌日に組織体制を変えるスピード感。そしてトライアル終了後に、セッションメンバーが中心となって、その日体験したDay1のコンテンツをチーム別に実施している点です。コミット力が抜きん出ています。

コミットを高める信頼関係は、会議からつくる

独自に、チーム別のDay1コンテンツを実施した目的を教えてください。

手塚: 「「すごい会議」をやります。この目標を目指します。」と言ったところで、現場は『急に何!?』と思うじゃないですか。目標が高いからこそ、うまくいかない瞬間は必ず出てくる。そのときのためにも一人ひとりが信頼し合い、目標に共感できる状態をつくっておきたかった。和田さんに相談し、チーム別のDay1を実施することにしました。

和田:経営メンバーの能力が非常に高いので、「すごい会議」のエッセンスをインストールするだけで、彼らを軸とした強いチームづくりが可能になります。彼らがファシリテーションに立って、チーム別の課題、解決策、役割分担などをチームメンバーと決めていくことで関係を強化し、現場社員にも目標を自分ごと化してもらう狙いでした。

チーム別のDay1を行なった結果、何が起こりましたか。

手塚:非常に良かったですね。全社目標に対してチームの課題は何で、どこにフォーカスして行動するか。現場メンバーが勝手に自分のミッションに落とし込んでくれました。

以前は四半期ごとに私から方針説明をしていましたが、その必要もない。全体目標にひもづいたチーム目標があり、マネジメント構造があり、各自が役割を自覚している。一体感ある理想的な構造になりました。

言いにくい“真実”こそ、成長への「良質な課題」

初日から変化をもたらした「すごい会議」の、どんなエッセンスに効果を感じましたか。

手塚:個人的には、普段は言えない「ひどい真実」を口に出せたことがよかったですね。会社の成長の糧となるような、本質的かつ良質な課題が大量に見つかりました。

裏を返すと、個々人が言いたいことをしっかり吐き出せたからこそ、スッキリした気持ちで目標にコミットできたと思います。

社長からすれば耳を塞ぎたくなるような「ひどい真実」を歓迎できる理由を教えてください。

手塚: 『達成に近づくから』でしょうか。目標が高くなったことで解くべき課題が一変し、解決には「ひどい真実」と向き合う以外にないと腹落ちしました。「言いたいことを出し切って働きやすい会社にしよう。」と社員にもしっかり伝えたことで、『言っていいんだ』と“真実”を歓迎する文化にシフトできた気がします。

「すごい会議」のプロセスを共有したからこそ目標を疑う人はおらず、『達成に効果的な方を選ぶ』と合意できている。「どうやるか」だけにエネルギーを注げるのでストレスがないですね。

目標が変わると課題が変わる。解くべきは達成への方程式

Day3まで実施された今、どのような手応えを感じていますか。

手塚: ミーティングの質が格段に上がりました。進め方のフレームワーク、言葉のルール、全員の納得を得る意志決定のプロセスなど、様々なエッセンスを自社で真似していて、事業だけでなく人生においても活かしていけそうです。

これまでに新しく生まれた取り組みがあれば教えてください。

手塚: 今の目標を立てたからこそ生まれた課題が二つ、航空機の機体確保と人材採用です。これまで通りの目標であれば、この二軸にコミットせずとも工夫次第で達成できたと思いますが、これさえ解決すればもっと拡大できるとわかったことが大きな価値でした。

思うように進まないときも「あのとき出し切ってみんなでやると決めたよね」というのがあるので、ブレずに問題解決できています。

コーチから見てこのチームが上手くいっているポイントはどこにありそうですか。

和田: 元々ポテンシャルの高いチームなので、初動が早そうな予感はありました。全員にとって“所有感ある目標”をつくれたことで、加速度的に推進力が上がったと思います。

ゴールを見つけ、ゴールに導く会議とコーチ

「すごい会議」は、何の機能と言えそうですか

手塚: 私が言うには二つで、一つはゴール設定とその裏の課題を明確にできる機能。もう一つは、達成に必要な組織の状態やお作法を教えてくれる機能です。

自社内でも積極的にメソッドを活用されている中で、コーチにしかできない役割、そしてコーチへの期待を教えてください。

手塚: 明確にあるのは“場づくり”のようなことです。自分たちでコンテンツを真似てみるものの、前提となる“場”の空気やムードのつくりかた、ファシリテーション力、メンバーの力を引き出す技量などは、一朝一夕で真似できるものではありません。

そして他社の事例を踏まえた視点も重要です。他社はどうしているのか。他社にできるなら私たちもできるはず。視野を広げるスパイスをもらいつつフォローいただけるのが、コーチの価値であり期待でもあります。

目標達成に向けて、さらに強化したいポイントを教えてください。

手塚:チームマネージャーたちのマネジメント能力の開発も鍵になります。熱量や質を保ちながら規模を拡大するには、コーチングやファシリテーション、彼ら自身のマインドセットやスキルセットも必要になる。今ある課題をクリアすれば次の課題が見えるはずなので、その時々で最適な課題にフォーカスしていきたいですね。

“会議の場”を成長の武器に。パイオニア企業としての挑戦

「すごい会議」はどんな会社に合いそうでしょうか。

手塚:例えば、素直な良い人が集まっているけれど遠慮がちな組織。仕組みを素直に使うことで急激に成長できそうです。トップダウンで一部の人材に不満がたまりやすいような意思決定プロセスの組織も、使い方次第で化けそうですね。

率直に意見が出せて、高い目標に持っていけて、期日までにやることをやる、というフルセットの枠組みなので「どうしていいかわからない」組織全般に役立つと思います。

今後の御社のビジョンを教えてください。

手塚: 最終的に“空”が今よりもずっと身近な状態をつくりたい。そして、その業界のトッププレイヤーでありたいと思っています。

例えば日常的な移動手段として、あるいは物流の運搬手段として、今は陸路や海路でしか存在しないサービスを“空”で実現することで、住む場所も遊び方も私たちのライフスタイルは大きく変わります。まだ様々な規制はありますが、時間をかけて少しずつ“空”の自由化が進みつつあり、コストの低価格化、遠隔操縦やパイロットレスサービスの実現などにより、航空機ビジネスは拡大します。その時に向けてプラットフォームとなるシステムも開発しています。

多くのプレイヤー、企業が進出してくるであろう中で、新しい“空”の世界観を実現するパイオニアでありたいですね。

ありがとうございました。